フリーの矛盾点2:原材料のコストが低くなっても、人件費は変わらない

ネットのサービスは、PCやネットワークが大幅にコストが下がっているのでも、問題ないという旨の記述がある。

確かにGB単位の価格はかなりの勢いで下がっているが、HDDなどのコスト半分になれば、全体のコストが半分になるわけではない。というのも、その議論には人件費は含まれていない。

つまりどのように人件費を確保するのか?それがポイントである。

フリーの矛盾点(その1):ジレットは鉄が無料なら替え刃を無料で配布できた

そんなことできるわけがない。

原材料は無料でも、の輸送費、加工費、パッケージ、運送費などなどがかかってくる。

鉄が無料になれば、原材料費は無料になり、鉄が有料な時と比較すれば安価にすることは可能だが、絶対に無料にならならない。

なぜ「フリー」に賛同しないか

この書籍の冒頭で、世代によって、フリーの感覚が違うという記述がある。

確かに、googleを当たり前のように使っている世代は、タダで何かを提供してもらうのに慣れているといのは、google以前の世代とは違うかもしれない(ただし、google以前の世代もTV/ラジオのプログラムがタダで提供されているのには慣れているので、タダの世界に全く親しみがないわけではない)。

フリーに賛同しない理由はたくさんあるが、もっとも大きなものは

「人が作業(ワーク)したことに対しては、基本、その価値に相当する対価を利益受給者が支払うべき」

と思っているから。

とはいえ、私自身、では、TVは放送料を支払っているNHKしか観ないかというとそんなことはなく、普通に民放をみているわけで、その点は、自己矛盾していることも理解している。

だが、つきつめていくと自己矛盾していないというのは、別の機会に述べようと思う。

今更ながら「フリー」を読む

今更ながらだけど、やっぱり読んでみるフリー。私自身、基本「フリー」という考え方に賛同できない昭和生まれの40代なので、フリーの説明する矛盾点・問題点を明確にしていきたい。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソン
日本放送出版協会
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この書籍の入手経路は、iPodのApp Store。無料で入手できたようにも思える。フリー自体の入手は確かに無料。だが、iPod Touchの購入、iPodをネットワークに接続するインターネット費用、iPodを充電するための電気等、完全無料というわけではない。