どんな組織にもある「組織縦割り問題」
となりの部署が何やっているのか?わからない。だから、それぞれがバラバラに動いていてサイロ化している。なんて話よく耳にする。
で、やりがちなのは、一堂に会する場の設定だったり、それぞれの部門が、今取り組んでいることを紹介する機会なんかを作るという手法。
末端な社員からすれば、隣の部署が何やっているのか?とか、仲良くなりましょう。なんて、思ってないことの方が多いわけ。そんな状況で、会の設定だったり、各部門の取り組み紹介したって、興味も沸かないわけ。
縦割り文化が悪い訳ではない
管理職・経営陣からすれば、横のつながりやシナジー(相乗効果)を期待するわけだし、それ自体が間違っているわけではない。間違っているのは、横のつながりが無くても成立してしまう部門の構成。
横のつながり、つまりは他部署とのやりとりがなければ仕事として成立しないのであれば、自然と横のつながりが必要となる。
メディアからの問い合わせがあれば、普通、広報部門に相談するよね
メディアと関わらない部門に所属している社員が、思いもよらずメディアから問合せがあったらどうするか?それまで広報部門コンタクトした経験がなくても、普通に広報部門に連絡することを思いつくはず。そこで初めて、広報部門との横のつながりができる。
なぜ、その社員が広報部門にコンタクトしたのか?それは、広報部門の仕事が、メディア対応すること、というのを理解していたから。
この事象から理解するべきことは、部門が何をするためのか?を社内で明確にしておくこと。何をする部門なのか?が明確であれば、自然と横のつながりはできる。
何をするための部門なのか?を詳しく説明しても無意味
一方、では、各部門の役割を事細かに伝えておけば、横のつながりができるかといえばそういうことでもない。
例えば、社員総会。各部門の説明をきいたりしても、興味がなければ、記憶に残らない。記憶に残らなければ、説明されていないのと同じ。だったら、はじめから各部門の説明をする意味がないということになる。
各部門の細かい説明は不要、必要なのは、各部門のKPIの公開
各部門がKPIをもっているということは、自分の部門にもKPIがあり、その一端を各社員が担う構造になっているはず。となると、自分(の部門)のKPIを達成するプロセスにおいて、他の部門のKPIへの影響も同時に発生するのであれば、一緒にやりましょう。ということになる。つまり、自然と横のつながりができる。
各部門のKPIが相乗効果を生める構造になっているのか?は経営側の能力とセンスが問われる
場合によっては、自分のKPIを達成すると、他部門のKPIに悪影響を与えてしまうケースもある。そんな状況では、当然ながら、相乗効果はみこめないし、場合によっては部門同士が敵対してしまう可能性すらある。
そうならないようにするために各部門のKPIが相反する指標になっていない状況を設定する能力が経営側には求められることになる。