Google Workspace を導入した際に、決めておくべき社内の大きな決め事

Google Workspace にするのか?Microsoft (Office) 365にするのか?企業のIT部門がもっとも慎重に決定するべき事項のひとつだと思います。

どちらも一長一短。ここで、それを比較することはしませんが、Google Workspaceを導入決定した場合、絶対に決めておき、かつ、破ってはいけない決め事があります。

それは、

Microsoft Office の例外使用の許可

です。

特に営業部門はお客様との情報のやりとり等で、ExcelやWord形式でデータの送受信をしたい場面があると思いますが、その際は、PDF形式の活用は、Google WorkspaceのMicrosoft Office形式へのExport機能の利用とし、間違っても、Microsoft Officeを導入させてはいけません。

理由は色々ありますが、最大の理由はコストです。

  • Microsoft 365のみを利用する
  • Google Workspaceのみを利用する
  • Google WorkspaceとMicrosoft Officeを併用する

この3点で、毎年のコスト、3年間のコスト、5年間のコスト比較してみてください。併用がいかに非効率かわかります。

ちなみに、全面的にMicrosoft 365が良いよ!という話ではありません。それぞれ、一長一短があるのは、前述の通りです。いずれにせよ併用はNGということです。

Slack、Zoom の導入は効率が悪いといわざるおえない理由

Slack / Zoomは確かに高性能ですが、結局は、Microsoft 365かGoogle Workspaceが必要で、両製品には(多少機能は劣っていえど)、Slack / Zoomに相当する機能が含まれているので、Slack / Zoomの導入は余計コストが掛かる上に、コラボレーション全体を考慮したら、効率が劣化するから。

SlackやZoomの導入が始まっている企業は少なくないと思います。私が所属している企業でも、導入がスタートしました。

SlackやZoomが導入される前はどうだったのか?というと、すべて、Google Workspaceだったんですね。Slackの代わりにChat、Zoomの代わりにMeetを利用していました。

SlackやZoomがGoogle ChatやMeetと比較して優れているか?という点については、それぞれの機能で比較すれば、Slack/Zoomが上回っている点は多々あると思います。とはいえ、テキストチャットする、オンライン会議を行う、という大きな機能という点でいえば、どちらを使おうと実現できていたのも事実です。

問題は連携部分

間違っても、それぞれのツールで別々の認証基盤、つまりは、別のID/パスワードで管理することは無いとは思います。いわゆる、シングルサインオンは実現してますよね?って話しですね。

問題は、認証基盤以外での連携です。Zoomはリアルタイムなコミュニケーションですし、チャットツールとしてのSlackを利用する場面においては、やはりリアルタイム性が重要です。

となると、そのリアルタイムでコミュニケーションしたい場面、相手は何をしているのか?が気になります。また、自分が何か集中して作業したい場面においては、連絡してくれるな!みたいな時があります。

こういった状況を考えるとリアルタイムでコミュニケーションをする場面において、相手の状況を知ることが大事です。例えば、会議中なのかな?ということを考慮しますよね。その場合、企業においての利用であれば、社員で共有しているカレンダーを参照することになります。共有カレンダーとの連携が必須ということです。そう、結局は、Microsoft 365 (旧 Office 365)もしくは、Google Workspaceの共有カレンダー機能をベースとして、密に連携させることが重要で必要です。一応、Slack/Zoomに連携の拡張機能なんかが用意されているケースもありますが、完全対応しているというにはキビしいのが状況だと思いますし、同一ベンダーでの構成以上にうまく連携がとれるわけもありません。

共有カレンダーと連携しないでSlackとZoomを使った時に露呈する具体的な問題点

SlackもZoomもステータスを設定できます。また、PCを使っていればステータスは緑ランプになったりすると思います。では、ステータスを設定する画面をみてみましょう。

Slackのステータス設定
Zoomのステータス設定

この2つ、当然、連動していないわけです。例えば、Slackで、30 minutes disturb (30分間起こさないでください)にしても、Zoomでは、それは反映されませんし、その逆で、Zoomで取り込み中にしても、Slakでは、相手にその状況は伝わらず、連絡が来てしまう可能性あります。

通知をオフにするという意味では、OSレベルで、通知をしない設定にすることは可能です。が、その場合、相手からみて、ステータスがグリーンであったとしても、無反応にみえます。そこに居るのに反応しないなんて、性格悪く感じますよね。

結局は、Microsoft 365かGoogle Workspace

を使い、そのファミリーに含まれる、Teamsか、Goole Meetを使うのが最も生産性が高いというように思えます。その方が余計なツールを買わなくても済みますしね。

警察庁だってVPNを突破されて気がつかない。大事なのは認証基盤。

警察庁の端末1台に外部から不正アクセス46回 情報流出は確認されず

https://mainichi.jp/articles/20201127/k00/00m/040/405000c

VPN使ったら安全ということではないのですよ。残念ながら、境界防御でなんとかなっていたのは20世紀まで。

VPNゲートウェイの認証情報が漏れてしまえば、境界なんて無いのも一緒。

結局は、認証基盤を強固にするのが大事。

それには、認証基盤に、多要素認証の導入が必要。逆にいえば、多要素認証し、その認証情報を使って、アプリケーションやリソースへのアクセスを適切に制御していれば、情報漏洩に対して、もっとも費用対効果の高い対策を実施していると言い切って良いと思う。

難しいのはVPNは外部からのアクセスになるわけで、VPNへの認証認証基盤は、外部、つまりは、インターネット側に存在しなければならない。

となると、独自の実装というよりも、企業向け ID as a service の利用が現実的。そうなると、やはり、Google Cloud Identity、もしくは、Microsoft Azure Active Directory の2択。独立したサービスも多数存在するけれど、結局、Google WorkspaceかMicrosoft 365(Office 365)が必要になるわけで、GoogleもしくはMicrosoftからの選択になるはず。