「ふくいナビ」のデータ消失事件は、「クラウド」の責任ではない

サーバ管理会社が契約更新ミス 「ふくいナビ」全データがクラウドから消失、復旧不能に
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2011/09/news064.html

このNECキャピタルソリューションのサービスをクラウドとは呼んではいけない。

というのも、NISTや経産省のクラウド定義の第1項目「オンデマンド・セルフサービス」を満たしてない。

NECキャピタルソリューション発表の

公益財団法人ふくい産業支援センター様の「ふくいナビ」のデータ障害につきまして

https://pdf.irpocket.com/C8793/aMKh/RtZQ/YIJo.pdf

によれば、データ消失の原因は

本クラウドサーバーは、使用期間更新の際に、本クラウドサーバーの使用権の更新をす
る手続きが必要でありましたが、当社の事務手続きにおいてこれを漏らしていたことが
本件の原因であります。

https://pdf.irpocket.com/C8793/aMKh/RtZQ/YIJo.pdf

とあるわけで、この事務手続きは、明示的に記載はされてないが、人的に操作していたと思われるから。

このような事象がクラウドとして報道されると、オンプレ大好きIT管理者や非ITな経営層からみると、短絡的に「クラウドは危険」ということになってしまう。

この事象からの学びは、クラウドが危険ということではなく、エセクラウドを危険ということ。

根本的に「人間はミスをするもの。だからこそ、ミスの起きない自動化」を考える事が大事。もちろん、この件において、ふくいナビ側に落ち度は無いが、管理体制が不十分と言える、サービスを選択してしまっている点は、ふくいナビ(に限らずだが)反省しておくべき点。

また、今回の事象で、クラウドだけでのデータ保管が危険だから、別途バックアップを取得しておく必要と考えるのも間違い。