ポイントはシンプル。書籍、雑誌を購入する時に、何に対して対価を支払っているか?だ。
たとえば300円の雑誌を購入する。その300円は、書店・取次店の利益、、配送費用、出版社の利益、編集者の給与、ライターの原稿料、紙代、印刷代、など様々な費用で構成されている。もちろん、収入は読者が支払う対価だけではない広告費も大きな収入源である。
これがネットで読める様になるとどういうことがおこるのか?書店・取り次ぎの利益、配送料、紙代、印刷代がゼロになるわけだ。
しかし、依然として、出版社(発行元)の利益、編集者の給与、ライターの原稿料、は発生している。
これをまとめると
紙媒体 | オンライン | |
収入 | 購読者からの収入 広告費(記事広告含む) |
広告費(記事広告) |
支出 | 書店・取次店の利益 配送料 出版社の利益 編集者の給与 ライターの原稿料 紙代 印刷代 |
出版社の利益 編集者の給与 ライターの原稿料 |
というようになる。
この表をみると自ずとみえてくるものがある。出版社(メディア)からみれば、紙媒体の時は、収入は、読者と広告費を負担する企業が大事なカスタマーである。$$$を支払ってくれているから、というシンプルな理由だ。
これがオンラインになってしまうと、企業しか見えなくなってくる。営利団体として考えれば$$$を支払ってくれる相手がもっとも大事というのは、どういった業種であったとしても普遍的なものだ。
そこでオンラインメディアになってしまうと、出版社、編集者、ライターは広告主が喜ぶコンテンツを用意するようになる。あたりまえだが、広告主の製品やサービスを批判することなんてできない。
当然、コンテンツは提灯記事ばかりになり、本当に知りたい、読みたいコンテンツからはどんどん離れていってしまう。提灯記事なら企業が配布しているカタログとなんらかわりはないわけだから。
このままの状態が進むとメディアはどうなるのか?ネット上での情報発信は、企業自身がするのもメディアがするのも情報の質という意味ではかわらないものになっていくとするのであれば、メディアの存在価値はゼロに近くなっていくのではないかと思われる。
オンラインメディアが生き残るには?記事の質をあげるには?出版社のNo.1顧客を広告主から読者に戻すしかない。。。